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LB培地の作製

大腸菌に適した培地を作製できます

  1. 以下の溶液を調製します

Table 1. 液体培地の場合の溶液の組成

トリプトン10g
乾燥イースト5g
NaCl10g
Dw1L

Table 2. 固体LB培地の場合の溶液の組成

トリプトン10g
乾燥イースト5g
NaCl10g
Dw1L
寒天15g
  1. オートクレーブにかける

  2. 冷めるまで放冷(もしくは水冷)する

  3. (抗生物質を入れる場合はここで添加する。カナマイシンの場合は50mg/mlの溶液を1000μl/Lで添加する。)

  4. 回収して室温で保存する

In-Fusion

線状化したベクターに効率よくインサート断片を導入する技術です。形質転換に用いるベクター溶液を作製します。

  1. 以下の溶液をエッペンチューブ内で調製する

Table 3. 反応液の組成

ベクター断片(pET28a)0.5μl
インサート断片1.5μl
In-Fusion snap0.5μl
  1. 50℃で15分インキュベートする

  2. インキュベート済み溶液をベクター溶液として扱い、以降は”形質転換”のプロトコールに従う。

形質転換

ベクター溶液を用いて大腸菌の形質転換ができます。ヒートショックを用いています。

  1. エッペンチューブに0.5μlのベクター溶液を入れる。

  2. ベクター溶液の入ったエッペンに20μlのコンピテントセル化した大腸菌(JM109株もしくはBL21株)を添加する。

  3. 大腸菌入りエッペンを氷上で5分間インキュベートする。

  4. このエッペンチューブを42℃で45秒間ヒートショックする。

  5. ヒートショック後、直ちに氷上で2分間インキュベートする。

  6. このエッペンチューブに抗生物質が入っていない液体LB培地もしくは液体SOC培地を100μl(添加したコンピテントセル化した大腸菌の5倍量)添加する。

  7. 37℃で1時間インキュベートする。

  8. 無菌操作で固体LBプレートに植菌する。

  9. 37℃で一晩インキュベートする。

  10. 翌日、コロニーの有無を確認する。

  11. コロニーが確認できたら常温で保管する。

ベクターの抽出1

ベクターの抽出が出来ます。Pure YieldTM Plasmid Miniprep System のプロトコールに準拠しています。

  1. 回収したプレートからシングルコロニーをピックし50mg/LKanamycinを添加した液体LB5mLに接種する。

  2. 37℃で一晩振盪培養する。

  3. 翌日、サンプルを回収する。

  4. 培養液を11000Gで遠心分離する。

  5. 上清を除去する。

  6. 1000μlのMilliQでペレットを懸濁する。

  7. Miniprepのプロトコールに従ってプラスミドを抽出する。

  8. 抽出したDNAを4℃で保存する。

コロニーPCR

コロニーPCRを行い、インサートの挿入が成功しているかどうかを判断することができます。

  1. 以下のPCR反応液を必要個数分調製する。

Table 4. 反応液の組成

2×Gflex PCR Buffer5μl
primer①(T7 promotor primer)0.2μl
primer②(T7 terminator primer)0.2μl
Tks Gflex DNA Polymerase0.2μl
MilliQ水4.4μl
total10μl×必要個数
  1. コロニーをチップの先端で軽くつつき、PCR反応液に懸濁する。

  2. サーマルサイクラーの設定を以下にしてPCR反応を行った。

94℃ 10分間→(98℃ 10秒間→55℃ 15秒間→68℃ 1分間)×35サイクル

  1. サンプルに2μlの10×Loading Bufferと8μlのMilliQ水を添加する。

  2. 1%アガロースゲルに5μlのマーカーと各サンプルを10μlずつアプライする。

  3. 100Vで30分間電気泳動する。

  4. UVで露光して写真撮影する。

Bradford法

タンパク質溶液の濃度の定量が出来ます。TaKaRa Bradford Protein Assay Kitの標準プロトコールです。

1. 表の通り、BSA 標準溶液の希釈系列を作製する。BSA 標準溶液とサンプルの希釈には、脱イオン水、0.9% NaCl または PBS が使用できる。

Table

2mg/ml BSA Standard(μl)希釈液(μl)BSAの終濃度(μg/ml)
50501000
3050750
2060500
20140250
10150125
539525
01000(Blank)

2. 1.5 ml のマイクロチューブに 1. で作製した BSA 標準溶液の各希釈液、サンプル(必要に応じて希釈系列を作製する)をそれぞれ 20 μl 分注する。各希釈液、サンプルともに 2 連(n=2)以上並行で測定する。

3. Bradford Dye Reagent を各チューブに 1 ml 加え、よく混合する。25℃の水浴もしくは、25℃前後の室温において、5 分間反応する。

4. 595 nm の吸光度を測定する。(吸光度の測定は、反応後 1 時間以内に行う。)

5. Blank 値を差し引いた後、2 連(以上)で測定したサンプルの平均値をとる。BSA 標準液の希釈系列から作成した標準曲線を用いて、サンプルの濃度を求める。

タンパク質の抽出と精製

蛍光タンパク質の抽出と精製が出来ます。

  1. 1mlの超音波処理バッファーをペレットに入れ、よく懸濁した。そして、1.5mlチューブに移した。

  2. 超音波破砕機に4分間入れる。この際30秒破砕、30秒休みを繰り返す。

  3. pH7.8の、0.3mlの5MのNaClおよび2.33mlの硫酸アンモニウムを上清に添加した。

  4. 懸濁液全体を1.2mlの96%エタノールを直ちに混和し、30秒激しく振盪した。

  5. 3000Gで7分間遠心した。

  6. 上層のエタノール層を回収し、15mlチューブへ

  7. n-ブタノール(エタノール層の体積の4分の1の量)を加え、30秒激しく振盪した。

  8. 3000Gで7分間遠心した。

  9. 下層を回収し15mlチューブへ

  10. 回収した仮装の体積の4分の1の量の100%硫酸アンモニウムを加える。

  11. 2時間常温で静置した。

  12. 2000gで5分間遠心した。

  13. 上層の有機層と下層の水槽と除去し、界面の沈殿を回収した。

  14. 1mlの超音頭処理バッファーに懸濁、溶解した。

SDS-PAGE

タンパク質が上手く精製出来ているか否かを判断できます。

  1. サンプルを以下のように調整した。
精製済みタンパク質溶液20μl
5×Western Blotting buffer20μl
1% SDS75μl
2-Mercaptoethanol5μl
  1. 上記の溶液を100℃に設定したヒートブロックで10分追加した。

  2. 泳動槽に既製のゲルをセットし、泳動バッファーを入れた。

  3. コームを外して、マーカー4μlと各サンプル20μlをレーンにアプライした。サンプルはT02_01,08,28を用いた。

  4. ゲルを外し、DWを変えて、5分ずつ2回洗浄した。

  5. CBB stainingをゲルが浸かるくらい入れ、1時間染色した。

  6. 染色液を捨て、DWを変えて5分ずつ2回洗浄した。

バイオアッセイに向けた検量線の作成

バイオアッセイに向けた検量線の作成に必要なデータが取れます。

  1. 前日形質転換した大腸菌からコロニーを3つピックアップして450mlの
    milliqに溶かした。

  2. 100mg/mlのアンピシリンを16倍,32倍,64倍,128倍,256倍,512倍に希釈したものを用意した。

  3. プレートに大腸菌の懸濁液を200μl滴下したものを二つ用意した。

  4. それぞれに16倍、32倍、64倍希釈のアンピシリンの区画と128倍、256倍、512倍希釈の区画をつくり滴下した。

  5. 上記のプレート2枚を37℃でインキュベートした。

レジンの平衡化

Hisタグ精製に用いるレジンの準備を行えます。

Hisタグ精製

無細胞系の反応液からタンパク質を精製できます。

  1. 無細胞系反応液を氷上で解凍

  2. ピペッティングをして、2 μlを別のエッペンに分取

  3. 分取したエッペンにGFP-totalのラベルをつける

  4. GFP-totalを冷凍庫で保管

  5. 残りの反応液を18,000 gで20分間遠心する

  6. 2 μlの上澄を別のエッペンに分取する

  7. GFP-solのラベルをつけて冷凍庫で保管

  8. 残りの反応液を軽くスピンダウン

  9. 上澄を12 μl取って、別のエッペンに分取

  10. 12 μlの上澄に80 μl の Binding Buffer を加えて希釈

  11. 希釈したサンプルを平衡化したレジンに添加して優しくピペッティング

  12. 1分間氷上でインキュベート

  13. 低温室で転倒混和機を使って、1時間混和

  14. 短時間(5 秒程度)遠心し、樹脂を沈殿させて上清を回収(FT画分として保存)

  15. 樹脂を50 µl の Binding Buffer で 2 回洗浄、遠心して上清を回収(W1、W2画分として保存)

  16. 樹脂を50 µl の Wash Buffer で 3 回洗浄、遠心して上清を回収(W3、W4、W5画分として保存)

  17. 樹脂に50 µl の Elution Buffer で 3 回洗浄、遠心して上清を回収(E1、E2、E3画分として保存)

  18. 冷凍庫で保存

無細胞系

無細胞系でタンパク質の発現が出来ます。PUREfrexのプロトコールに準じています。

  1. SolutionⅠ、Cystein、GSHを室温~37℃で5分間ほど温めて完全に溶解し、室温に置く。

  2. SolutionⅡ、SolutionⅢを氷上で解凍する。

  3. 融解したSolutionⅠ、SolutionⅡ、SolutionⅢ、Cystein、GSHを軽くボルテックスした後遠心して内容物をチューブ下部に集める。

  4. 以下のように反応液を調製する。DNAは1kbpあたり0.5-3ng/μlになるように添加する。

Water7~Xμl
SolutionⅠ8μl
Cystein1μl
GSH1μl
SolutionⅡ1μl
SolutionⅢ2μl
Template DNAXμl
total20μl
  1. 37℃で4~6時間反応させてタンパク質を合成する。

  2. 液体窒素で凍結させ-20℃で保存する。

蛍光光度計での測定

蛍光光度計で励起および蛍光スペクトルの計測と、明るさの計測をします。各タンパク質の励起、蛍光波長と標準蛍光タンパク質と比較したときの蛍光の明るさがわかります。

  1. まず300nm程度の励起光を当てて蛍光スペクトルを取る。

  2. 1のスペクトルを見て、ピークになっている波長の蛍光を当てて励起スペクトルを取る。

  3. 2のスペクトルを見て、一番短波長でのピークの波長の励起光を当てて再び蛍光スペクトルを取る。

  4. 次に明るさの計測を行う。標準蛍光タンパク質(我々はavGFPを用いた)の蛍光スペクトルを取り、適切なセンサー感度に調節する。

  5. 4のセンサー感度ですべてのサンプルの蛍光スペクトルを取る。このとき必要があればサンプルを適切に希釈する。また、このとき使う各励起光の波長は各タンパク質に合わせて適宜調節する。

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